川重は史上空前の利益を労働者に還元せよ!

 07年春闘が終息を迎えようとしています。貧困と格差が広がり社会問題になっている中での春闘なので、貧困と格差の是正にむけた大幅な賃上げは労働者が是非とも闘い取らねばならない課題です。また、史上空前の利益を挙げている大企業が社会的責任をどうとるのかが鋭く問われています。

図1
 

(出典:しんぶん赤旗より)

大企業ぼろもうけ

 トヨタは2007年3月期に経常利益2兆円を超える見通しがでているように、大企業はバブル期を上回る利益をあげています。

 図1に示すように、大企業の利益は2000年の19兆3945億円が2005年の29兆4326億円まで拡大しています(出典:しんぶん赤旗)。

 一方労働者の給与は約41兆9291億円から39兆6475億円まで減少しています。この現象はなぜおきるのでしょうか。

なぜ

 大企業は、バブル崩壊後「経済のグローバル化」「大競争時代」のなかで国際競争力をつけなけば、大企業も倒産の危険があるかのように宣伝し、法人税など税制上の軽減策や交付金の増額を政府に求めるとともに労働条件を次々に切り下げてきました。

 成果主義賃金の導入、下請けの単価切り下げ、そして、正規従業員から非正規従業員への切り替えと偽装請負などで人件費切り下げをおこなってきました。これは大企業と小泉政権が一体となって「規制緩和」の名のもとに行った一連の労働者派遣法の改悪の結果です。このような企業の利潤を優先した施策が行われた結果、企業業績が回復しても労働者の賃金は低下し続けることになりました。利益は株主と会社役員で分配し労働者には全く還元しないという構図は世界でも例のみない資本主義の中でも特異なものとなっています。

 川重も日本の大企業と同じように「経済のグローバル化」「大競争時代」に「生き残るため、どのような状況でも利益をあげる制度」「固定費(人件費)の圧縮」として、1999年成果主義賃金の導入、2004年度以降TAR-GET(定期昇給見直し、処遇制度見直しなど労働条件改悪施策)による定昇の廃止、賃金切り下げが実施されました。その結果、2001年度以降年々利益をあげ、売上があまり増加しないにもかかわらずTAR-GETの効果が現れ経常利益を2006年度に250億円(連結で400億円)と過去最高の1996年度の230億円を上回る予想となっています。(図2参照)

社会的責任を

 大企業には減税を維持し、更なる投資減税が準備されるなか、労働者は定率減税の廃止、健康保険、厚生年金、国民年金料金の値上げが相次いでおりますます家計を圧迫し生活条件の切り下げが余儀なくされようとしています。

 このままでは、貧困と格差拡大と結びついて、国内消費の6割を占める国民消費が冷え切ってしまい、「会社栄えて社会滅ぶ、」という事になりかねません。大企業は、社会的責任を果たすためにも国民の家計の穴埋めをするためにも大幅な賃上げを実施すべきです。

(07.04.01)