AKB48と成果主義

 読者の方から「AKB48と成果主義」という投稿がありましたので紹介します。


 AKB48の「総選挙」(=人気投票)というのがありました。別にこのような人気投票について批判するつもりはありませんが、感じるのは労働者に対する成果主義との類似性です。
 同じようなことを感じる人は私だけではありません。慶応大学の金子勝教授は自身のブログで「炎上覚悟で」こんなことを語っています。

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 このランキングで競わせる手法は、会社や塾、あるいはえげつない学校で行われている「成果主義」そのものです。

 たしかに、このランキング競争のおかげで、AKB48のメンバーは生き残るために必死に努力をしています。その健気に努力する姿に、自分を重ね合わせて応援している若いサラリーマンも多いのかもしれません

 ところが、それは現実の会社と同じように「裏」があります。AKB48は正規メンバー(正社員)になりたい予備軍(まるで派遣労働者みたい)がいっぱいおり、賃金がとても低くてすむのです。このルールに従わないなら、辞めてもらえば、いくらでも代わりはいるからです。メンバーがもともと所属している事務所(プロダクション)は、まるで派遣会社みたいです。出られない、あるいは辞めていくメンバーたちは、ランキング競争に負けたのだから仕方がないということになるのでしょう。

 そして気づいてみると、秋元康(筆者注:AKB48のプロデューサー)だけがガッポリ儲かるようになっているのです。
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 その後金子教授はAKB48とユニクロの相似性、すなわち社員を競争させると同時に安い給料でこき使って利益を上げる仕組みを批判しています。
 「成果主義」と聞こえはいいですが、つまるところ社員の足の引っ張り合いを利用して人件費を下げる手法なのです。
 若いアイドルたちをこのような方法で金儲けのために利用する、本当にこれでいいのでしょうか?

(MU生)


(16.06.24)