「永遠の0(ゼロ)」読書感想

読者の方から読書感想文の投稿がありましたので紹介します。


永遠の0(ゼロ)(百田尚樹著、講談社文庫)読書感想

 久しぶりに感動しました。
 主人公宮部久蔵(海軍航空戦闘機パイロット)は、赤子の娘と嫁のために死ねないと必死に生にこだわって戦争を生き延びてきましたが、68年前終戦直前に特攻隊員として26歳で一命を戦争に殉じました。この戦争で日本人だけでも310万人近くの人がなくなっています。この礎の上に今の平和があります。
 それはさておき、この本は、宮部久蔵のお孫さんがおじいさんの当時の様子を関係者に尋ね歩き、関係者の宮部久蔵への想い出話を中心に構成され感動的に描かれています。宮部久蔵は、「生」への執着が強いだけに軍人として「臆病もの」とけなされつつも、一人の人間として懸命に生きていきます。この若者の足跡と、彼を取り巻く関係者との関わりや生き様を通じて、愛と戦争についてそして人情について深く考えさせられました。まだ読まれていない方のためにお勧めします。

(S)


(13.08.15)