「はぐるま」 2016年 新年号
NO.226



千枚岳より撮影
Contents
 社会と職場で「個人の尊厳」が守られ、大切にされる新たな歴史の幕開けの年に
 大河
 読者の広場
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社会と職場で「個人の尊厳」が守られ、大切にされる
新たな歴史の幕開けの年に


みなさん新年明けましておめでとうございます。

昨年は、安倍政権によって戦後最悪の違憲立法の戦争法(安保法制)が強行されました。しかし、それに反対するたたかいを通じて、戦後の平和・民主運動を担ってきた人たち、そして、シールズやママの会、学者の会など、さらに、憲法学や法曹界の人たちが大合流し、自由で自発的な、戦後かつてない市民革命的な運動がわき起こり、豊かに発展し、大きな希望が見えてきた年ではなかったでしょうか。

戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の実現の新しい歴史をつくる年に

戦争法強行によって、自衛隊が戦後初めて南スーダンなどで「殺し、殺される」危険が差し迫っています。そして、安倍政権は、立憲主義(どんな政権であっても憲法の枠内で政治を行う)を根底から壊し、独裁政治への道をまっしぐらという状況です。

憲法違反の戦争法を廃止し、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を撤回して立憲主義の回復をはかるには、野党が国政選挙で選挙協力を行って安倍政権を退陣させ、それらを実行する新しい国民の政府が必要となります。国民一人ひとりにとって立憲主義を取り戻すことは、「個人の尊厳」を守り、大切にする社会をつくるということになるでしょう。

みなさん、今年の参議院選挙を第一歩に、「国民連合政府」の実現の新しい歴史をつくる年にしましょう。

安心して健康に働き、人間らしく暮らせる社会への転換をはかる年に

戦後かちとった労働分野での権利が、80年代の派遣法の成立以降、次々とはぎとられています。今では、非正規社員の割合がついに4割に達し、働く人の賃金は1997年をピークに連続的に減り続け、安倍政権発足の3年間では5%も実質減収となっています。さらに、異常な長時間労働により過労死が多発し重大な社会問題にもなっています。いま働き過ぎと貧困が進行し、日本社会の持続そのものが危ぶまれています。

この状態から抜け出すには、300兆円を突破した大企業の内部留保の一部を活用して、 大幅な賃上げや非正規社員の正社員化、下請け・派遣単価の引き上げなどを実施するとともに、日本が批准していないILO1号条約(1919年)の8時間労働制などを真に実行する必要があります。そうすれば、内需が高まり、日本の経済と社会を安定的に成長させることができるでしょう。

みなさん、安心して健康に働き、人間らしく暮らせる社会への転換をはかる年にしましょう。

「個人の尊厳」が優先される職場の実現をめざして

村山社長は、年頭挨拶で、企業価値向上のためにこれからも「ROIC経営を強力に推進」すると表明しました。これまで日本の大企業は、リストラと人件費の抑制でROIC(投下資本利益率)等をあげ、配当を増やして株価をあげることに専念してきました。

その結果、前述した働き過ぎと貧困の社会に陥り、職場では「サービス残業」(違法)が横行し、メンタル疾患や労働災害も深刻で、とくに非正規社員は雇用不安と低賃金に苦しめらています。このような状態を放置して、果たして、「企業価値」など向上するのでしょうか。

かつて川崎造船所の時代(1919年)に8時間労働制を実施したことがあり、その時は出勤率と作業効率が著しく向上したと報じられています。労働時間の短縮は、人間的成長の基礎であり、職場を活性化させることになるでしょう。

今年も引き続き、「個人の尊厳」が何よりも優先される職場の実現にむけ、新たな歴史の幕開けの年となるよう、みなさんと力を合わせて奮闘する決意です。

みなさんがご家族ともどもこの一年を健康に過ごされることを祈念して、新年のご挨拶といたします。

【大河】
昨年放送された『下町ロケット』は、たいへんな高視聴率でした。心でうなずきながら涙を流した人も多かったのではないでしょうか。現在放送されている朝ドラ『あさが来た』も〝びっくりぽん〟の視聴率を記録しています。その背景には?

働きたいけど仕事がない、ようやく見つかった会社でボロボロになるまでこき使われ「はい、さよなら」。働いても働いても食えないような収入で苦悩する零細企業。そんな一方で、黙っていても年間数億円の株配当。大企業の儲けや金持ち大優先。米軍には我々の血税20兆円。〝アホな〟と叫びたくなる毎日です。

ドラマは、正直者やコツコツ働く社会的弱者を励まし、命の尊さや個人の尊厳の大切さを、濃い人間関係を通して熱く語りかけ、〝自分にも何かできるのでは〟と背中を優しく後押ししてくれます。

「どこに行っても、苦しい時が必ずある。そんな時は、逃げるな。人のせいにするな」(佃)、「なんで勇気出して今を変えようとしはらへんのです」(あさ)。みんなで、生きててよかったという社会に。


読者の広場 
年頭行事は正社員だけで?
昨年末に、あるカンパニーの年頭行事を正社員だけでやると聞きました。非正規社員は職場で待機だという。何でそこまで差別するの? 理由は会場が狭いため全員が入りきれないからとか。

明石工場は広い工場なのになぜ? 狭いのは会場じゃなくてカンパニーの度量の狭さではないでしょうか。(その後、全員参加に変更されました。)
(明石のバイク王)
働いた分だけ申請できればよいのですが!
Web勤怠で、ノーツのログ時間と申告する勤務時間とに差異が生じ、本当の理由とは違う差異理由を入力している人が見られます。実際は仕事をしているけど、申請できる残業時間に制約があるからです。つまりは、サービス残業です。

人事総務部から各所属長へ、差異理由に業務とみなされる理由を入力しないようにと注意のメールが配信されました。

本当に勤務した時間を申告できたら問題ないのですが。サービス残業が常態化している異常な状況を労組は見て見ぬふり?(西神戸の下町ロケット)
トイレのフタはなぜ割れる?
神戸工場内のトイレに次のような張り紙がありました。

『トイレの蓋の破損に伴う運用について、蓋が破損した場合補修可能なものを除き撤去する。そして、蓋を撤去した便座は節電効果が薄れるため、冬季の便座ヒーターをOFFにする』というもの。

この運用の理由は、以前から破損しないように注意喚起してきたが一向に改善されないためらしい。冬季の便座ヒーターOFFは我慢できませんネ! そう簡単に壊れるものではないと思うので不思議です。使えるトイレが減るのは困るので何とかして蓋の破損を防止して欲しいです。
(神戸・トイレの神様)
 
真の女性活躍社会へ
お昼休みのチャイム後まもなく、可愛い赤ちゃんを抱いた女性が事務所に入ってきた。すると、目ざとく気づいた職場の友だちが満面の笑みで、親子に近づき歓迎した。一人二人とその輪が広がり、職場に幸せなひとときがおとずれた。

「育児休暇がおわれば、早くここにもどって仕事をしたい」と、女性の声が聞こえる気がした。真の「女性活躍社会」の時代になって欲しいと感じた瞬間でした。
(S子)
沖縄からみる戦争法!
昨年12月に3泊4日で沖縄平和ツアーに参加。

1日目は基地めぐり。米軍が優先、市民生活は二の次、日本国憲法が通用しない地域を実感。2日目は南部戦跡めぐり。ヌヌマチガマ、荒磯海岸、平和記念資料館を見学。3日目は辺野古、高江を訪問。キャンプ・シュワブ前テント村、「島袋のおばあ」にも会い、抗議の座り込みにも参加。歌、抗議、訴えありで元気モリモリでした。4日目は伊江島に渡り、ここでも沖縄戦とその後の歴史を知り、怒りがこみあがる。夜には泡盛にもめぐり合い、有意義な4日間でした。皆さんもぜひ沖縄を訪ねてください。
(戦争法廃止を願う読者)


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