「はぐるま」 2023年 秋季号
NO.257



塩原温泉郷(栃木県)
Contents
 男女の賃金格差の是正を
 派遣労働者の待遇改善を
 キャリアチャレンジ制度は 
エンゲージメント向上に寄与する?
 大河
 賃上げ14,000円でも生活は厳しい
 なぜ増えるメンタル疾患
 読者の広場 
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男女の賃金格差の是正を


2022年7月に女性活躍推進法に関する制度が改正され、情報公表項目に「男女の賃金の格差」が追加され、情報公表制度や有価証券報告書で企業による公表が始まりました。川重の格差はどのようになっているのでしょうか。

川崎重工の実態

男性を100とした場合の女性の賃金の割合は、日本全体では、正社員は大企業、76.0%、中企業79.8%、小企業80.1%と大企業ほど格差が拡大しています。
厚生労働省のホームページで公表されている、川崎重工の女性の賃金の割合は、正規・非正規雇用を含めた全労動者男性賃金の66.1% (うち正規雇用労働者は66.3%、非正規雇用労働者は72.4%)となっており、日本全体より賃金格差が大きくなっています。

川重の平均年収は川重のホームページでは、男性社員が760万円、女性社員が500万円となっており、260万円もの差があり、生涯賃金では1億円を超えます。この背景には、雇用形態、職種、性別などによる待遇格差があるのではないでしょうか。

格差是正の真剣な取組みを

世界経済フォーラムが発表した世界各国の男女平等度を示す「ジェンダーギャップ指数」で、日本は総合ランキングで146ヵ国中125位、経済分野でも123位と、G7の中で最低です。
わが国も批准しているILO条約「同一価値労働・同一賃金」にもとづき格差の是正をすることが求められています。

会社は賃金格差を是正する具体的な計画を作成・公表して実行すべきです。
この取り組みにより女性の経済的自立を進めることにも繋がります。


 
派遣労働者の待遇改善を

日本は、30年間「賃金が上がらない国に」なっています。その最大の原因は、財界の要求で改悪された労働法制により、低賃金で不安定な派遣労働や有期労働を拡大させた、雇用破壊の政治にあります。収入が少なく、結婚できない若い層が増加して、貧困化・少子化・経済の停滞、衰退をもたらしています。

派遣労働者の状態

製造派遣が拡大されてから約20年、派遣労働者は労働者の4割以上を占めるまでになっています。多くの派遣労働者からさまざまな待遇改善をもとめる声が上がっています。そうしたもとで、西神戸工場、明石工場でも派遣社員の雇止めが繰り返し行われ、職場では不安が広がっています。

派遣労働者問題と日本経済の衰退

日本経済の30年にわたる停滞と衰退は、賃金と設備投資をコストカットしてきたことが原因といわれています。企業は人材育成をしなくなり、労働者を使い捨てにし、このままでは、産業基盤のものづくりを衰退させていくことになります。

日本経済の成長・発展のために

EU(欧州連合)や韓国でも非正規雇用が増大しているものの、待遇改善や正社員化を政治主導で進めています。一方、日本政府は財界の求めに 応じて非正規雇用を野放図に拡大しながら、労働者保護をなおざりにしています。

日本共産党の「経済再生プラン」では、賃上げと待遇改善を持続的にすすめる「非正規ワーカー待遇改善法」が提案されています。今、やるべき事は政治が主導して賃上げと待遇改善をすすめることです。


 
キャリアチャレンジ制度は 
エンゲージメント向上に寄与する?

会社は、エンゲージメント向上に寄与する取り組みとして、従業員のキャリア開発を支援する新たな支援制度と謳っています。
これで本当にエンゲージメントが向上するのか疑問です。

対象者が限定の制度

本制度は、年1回公表する受け入れ希望部門に対して、異動を希望する従業員が応募し、受入希望カンパニーや特定部門の選考を通過し、異動成立が認められて異動が可能となる制度です。
対象は、現在所属に3年以上在籍する基幹職(ライン長を除く)とV系列の一般従業員のみで、原則として同一所属(課単位)からの異動成立(転出)は1名とし、カンパニー内の異動は対象外としています。また、「募集のない職場に対しての応募は可」としていますが、これはどう理解したらいいのでしょうか。
10月1日から導入し、「FA制度」「ジョブチャレンジ制度」は同日付けで廃止しています。

育てることも大切に

対象が基幹職、V系列に限定されている点や受け入れ希望部門があることが前提なので、能力の発揮、チャレンジできる従業員は部分的です。カンパニーが必要とし補充したい人員を手っ取り早く確保したいのが狙いの制度のようにも受け取れます。制度を作り異動やキャリア形成をサポートすると言っても業務や教育を通じて日々成長を感じられないなど、将来への希望が持てないような職場に魅力があるでしょうか。

昨年度の正規と中途採用者は686名ですが、自己都合離職者数は321名、中でも30代までが276名と若者中心に離職者が続いています。ここには将来を見据えた人財を育てることを軽視する経営姿勢への失望や不安があるのではないでしょうか。



【大河】

日本では、近年、経験したことがない豪雨による河川の氾濫が発生し、異常な猛暑でした。国連の気候変動に関する最新の報告書では、世界の平均気温は産業革命前と比べ、すでに1.1度上昇したと指摘しています。この上昇で、世界中の地域で熱波や豪雨、干ばつなどがおこり、農業や漁業にも深刻な影響を及ぼしています。

増加する温室効果ガスの排出で、地球温暖化対策の「パリ協定」の目標(気温上昇1.5度までに抑える)を短期のうちに超えてしまう状況にあります。
この目標に抑えても、洪水や海面上昇のリスクにさらされたり、食糧生産も減少するなど人類と地球環境には打撃ですが、それを上回る気温上昇は人類社会の存続すら脅かす事態となります。

日本は、温室効果ガスの排出量が世界で5番目に多い国です。日本の温室効果ガス削減目標は、国連が示した45%よりも低い42%であり、先進国が石炭火力からの撤退を進めている中で、新たな石炭火力の建設も進めています。
「脱炭素」を口実とした「原発回帰」は、再生可能エネルギーの普及・拡大の妨げとなり、気候危機を打開し持続可能な社会をめざすうえでも重大な逆流です。

気候危機の打開は、企業の目先の利益優先ではなく、省エネや再生可能エネルギーのような、中長期的な投資を優先する経営への転換が求められます。
巨額の内部留保の一部を脱炭素化の事業に投資することで、あらたな雇用の創出と、日本経済の持続的発展につながります。




 

賃上げ14,000円でも生活は厳しい

今年の賃上げは、40年ぶりの高額でしたが、私たちの生活を豊かなものにするに足りるものとなったでしょうか。
昨年から異常な物価高騰が続いています。さらに今年10月からは4634品目の食品が値上りし、生活実感として物価上昇が1割以上と感じる人も多いと思います。

さらなる大幅賃上げを

14,000円は、川重の標準賃金の約4%でしたが、昨年の物価上昇3%を引くと実質1%の賃上げになります。総務省公表では、今年8月の全国の消費者物価指数は前年比で3.2%の上昇となっています。また家計調査の結果では、物価高騰の中で2人以上の世帯の実収入は6.9%減少しています。今年の物価上昇は6%を超えるのではとも言われており、そうなると14,000円の賃上げ効果は軽く吹っ飛んでしまいます。

16年連続賃金が低下している中で、来年度以降も大幅な賃上げが必要です。来年の春闘では、全労連は10%、連合は5%以上の賃上げを求めています
引き続く大幅な賃上げを要求しましょう。





 

なぜ増えるメンタル疾患

会社は人間尊重と健康第一を重んじ、安全と健康を最優先の職場をつくることを経営方針としていますが、経営方針通りになっているのでしょうか。

メンタル疾患とハラスメント相談の激増

メンタル関連疾患休職件数は、2022年度120件と2019年の67件からほぼ倍増しており、労組ニュースでは、メンタル疾患による休職者数の増加の長期化に歯止めがかからないと報告されています。

メンタル疾患にかかわる「ハラスメント相談窓口」への相談件数も57件と、2021年9件の6倍以上に急増しています。また組合員意識調査アンケート結果では、自分や同僚で業務やハラスメントなどの人間関係で悩んでいる人が19.2%と前回比倍以上にもなっています。

目安箱には人事部門の人からパワハラを受け、相談窓口や人事部門に相談しても取り合ってもらえないという声があがっています。

会社のメンタルヘルス対策

ハラスメント行為を受けたり、目撃した際に相談できる「コンプライアンス報告・相談制度」では、外部弁護士が直接相談に対応しています。また会社・健保・労組三者共催の「健康チャレンジ」や、メンタルヘルスの対応マニュアルの見直し、セルフケアリーフレットの配布など、早期発見・早期対応の啓発を行なうとしています。

実行ある対応策を 
職場のハラスメントは放置できない問題です。マニュアルの整備や対応の啓発だけでなく、自由にコミュニケーションがとれる風通しが良い職場、ハラスメントを許さない職場にしてこそ、メンタル疾患やハラスメントをなくすことが出来るのではないでしょうか。 



読者の広場 
ストライキは当たり前
また若い人が退職しました。給料を減らすことだけを考え、従業員をなめている会社に未来などありません。待遇改善のためストライキを起こすべきです。世界ではストライキなど当たり前です。

今こそ力を合わせる時です。
(機械くん)
真面目に働いても報われない?
人手不足と言われていますが、実際に求人があるのは、非正規で単純労働に3Kと呼ばれる皆さんが働きたがらない職ばかりです。ある報道によれば、ニートと呼ばれる働いてない人間がかなりいるそうです。

真面目に働いても報われないので皆さん諦めているのではないでしょうか?
(AKZ)
紙資源を大切に
職場で毎回配布されている冊子やプリント、読まずに捨てる人が多い。配布物を分別する手間もあって色々ムダだと思う。減らせないでしょうか。
(汗だくリサイクル担当)
関西ダービー
いま、プロ野球は関西が熱い!オリックスは3年連続、阪神は18年ぶり、関西勢のセパ制覇は59年ぶり。
現状、日本シリーズは関西ダービーが濃厚である。野球好きは勿論、そうでない人も短期決戦の日本シリーズは楽しめるはず。
ビール片手に熱戦を一緒に楽しみましょう!
(神戸・熱烈ファン) 
美味しい、けど
明石工場の食堂のメニューは、私が食べたどの工場の食堂よりも美味しいです。しかし最近混雑し長いこと並ぶこともよくあり、昼の休憩が少なくなっています。

昼食は大事です、コロナも落ち着いてきたので会話も楽しみながら、ゆっくり食べられる場所と時間を確保してほしいです。
(明石・育ち盛りの社員)
信じられない
西神戸工場では、新しいビルが今年末に完成予定。引っ越し準備に向けて、ファイル整理も着々と準備してきたのに、景気悪化で予算無く、まさかの引っ越し延期とは、信じられません。

新しい建物を建てると不吉な事が起こるジンクスか何か知らんけど、使わないって「何それ?」おまけに出向、応援、人員削減って、もっと従業員を大切にして下さい。

せめてもの救いは、作業服が新しくなった事か?
(カワらないサキへ)
地味な仕事も大切だ
コロナの影響が大きく減っていく中で、物価が上がったり、世の中いろんな事が変わっていきます。
良い変化ならまだしも、悪いことばかり進む世の中、ますます暮らしにくくなっていきます。

会社の中でも、カワるサキへと動いているようですが、実際の仕事を見ずにコンサル主導で何か見た目だけを変えようかという動きを感じます。

声の大きな方ばかりが評価されるのではなく、変わらず地味な仕事をコツコツと進めているようなところもちゃんとみる会社であって欲しいですね。
(西神戸の星)
希望を持てない社会?
最近、毎日のように電車が止まります。自殺と思われる人身事故が多いです。物価が上がり、給料が上がらずこの国に希望を持てない人が多いのではないでしょうか?
MLBで活躍する日本人選手をバカみたいに褒め称えて報道しても変わりませんよ政府が無能ですから。
(TK)
明石工場祭が開催される
来年3月、明石工場グラウンド周辺で工場祭が予定されている。ステージショー、工場見学、製品展示、縁日、抽選会が企画されている。コロナに振り回された4年、川重の魅力の再発見と希望に繋がる祭りを期待する。
(明石・お祭り男)
Vへの道遠し
A系列からV系列への試験は上司の推薦で決まるとの話を聞きました。その推薦の基準は不明です。推薦の第1ハードルを越えても、次の試験は論文記述もあるらしく第2ハードルも高いと聞いています。公正で多様性、やる気を重視していただきたいです。
(やる気一番)


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