「はぐるま」 2017年 2月号外


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川崎重工・船舶海洋事業の「継続性」問題
経営者は、投資家の利益第一より、
労働者の生活・地域経済・技術継承を第一に!



川重は、昨年9月末、船舶海洋事業の業績悪化を理由に、「事業の継続性を含め」検討し、今年3月末までに結論を出し実行すると発表しました。その後、労組や下請け企業等に何ら説明することなく、金花社長が神戸新聞(1月12日付)に、造船事業の撤退ラインは投下資本利益率8%などと語りました。

経営者は、造船労働者が果たしてきた世界の海上輸送への貢献に誇り持て!

投下資本利益率8%「それ以下では投資家が株を持つ意味がない」「8%を超えた水準から投資家への利益が生まれる。経営者としては譲れない一線だ」(金花社長発言)

「投資家の利益にならんと働く意味がないのか!」(労働者)

国土交通省内に設置された「交通政策審議会」の答申(平成28年6月3日)には、「世界の現存船の約3割は日本製であり、安全で高性能・高品質な船舶を提供することにより、海上輸送の効率化、安全性向上、環境負荷低減に貢献してきた」と述べられています。

造船労働者は、投資家の利益のために働いているのではなく、優れた海上輸送手段を世界に提供するために働いています。これこそ、ものづくりの経営者としては譲ってはならない一線ではないでしょうか。

    投下資本利益率(ROIC)=利益/投下資本

雇用や地域経済等を守るのが大企業の社会的責任
120年の歴史のある造船の灯を消してはならない!

「今は得意の液化天然ガス(LNG)船でも不振が目立つ。8%が駄目なら、『もうやめや』となるかもしれない」「効率を考えると、潜水艦以外を坂出工場に集めるのが自然だ・・過去には100人規模で部門間を移っており、人と用地に心配はしていない」(金花社長発言)

「川重全体で3・8%なのに8%なんて無茶や。それなら車両や単車もアカンということになる」(労働者)

8%が駄目なら撤退というのでは、雇用や地域経済等を守るという大企業の社会的責任をまったく放棄するものです。しかも、神戸のシンボルでもある商船建造をやめ、神戸工場を国民の血税を使う潜水艦建造に特化させるなどは、とても住民の理解が得られないでしょう。さらに、100人規模の移動は心配していないに至っては、労働者をモノ扱いするもので、尊い命をあずかる経営者の態度とは言えません。

日本造船工業会会長に就任した川重・村山会長が、「中長期的には、世界経済の成長による海上荷動量の増加…市況も好転」すると述べているように、造船産業は未来ある成長産業です。

120年、労働者・地域等が守り育てた造船の灯を決して絶やしてはなりません。

兵庫県知事  井戸敏三 様 
2017年2月2日
「神戸の造船を残そう」連絡会 山本恒男
川崎重工業の商船建造継続を求める要請書 
 川崎重工業は、昨年9月30日に、船舶海洋事業の大幅な業績悪化を理由に、「事業構造を抜本的に見直すため、社長をトップとした構造改革会議を早急に設置し、事業の継続性を含め今後の方針を検討します。今年度末を目途に結論を得たうえ公表し、実行に移します」と、造船業の撤退もあり得るような内容を発表しました。
 その後、金花社長は、マスコミ等に造船事業の撤退ラインは投下資本利益率8%(1/12付神戸新聞)と、なにより投資家の利益を優先することを語っています。

 川崎重工業の船舶部門は、国内に神戸市と香川県坂出市に2つの造船工場を有し、神戸工場では商船と潜水艦、坂出工場では商船を建造しています。そこでは、多くの従業員や派遣・請負の労働者が働いています。また、造船業は、あらゆる業種と技術力の労働集約型産業であり、とくに商船建造は関連する中小零細企業のすそ野が極めて広いものとなっています。

 仮に、川崎重工業が短期の業績悪化を理由に、商船建造からの撤退あるいは神戸工場での商船建造を中止するとなれば、三菱重工神戸造船所が商船建造から撤退(2012年)したときのように、造船に関わる労働者だけでなく、関連する中小零細企業や地域経済などに深刻な影響を与えることになります。

 日本造船工業会会長に就任した村山会長(前川重社長)は、「中長期的には、世界経済の成長による海上荷動量の増加…市況も好転」すると述べています。川崎重工業の造船業についても、好不況の波を受けながら、120年にわたって中小零細企業や地域などに支えられ成長・拡大してきました。そして、中長期的には未来ある成長産業と言えます。

 川崎重工業は、大企業としての雇用と地域経済への社会的責任を持っています。川崎重工業が今後の方針を決定する前に、商船建造の継続を強く求めるよう要請します。 
以上 
  2月2日、兵庫県庁にて、申し入れをする「神戸の造船を残そう」連絡会と日本共産党の平松衆院兵庫2区候補、喜田・庄本両県議、日本共産党川崎重工委員会の人たち