熱中症に注意しましょう

−暑い日は作業計画の見直しを!−

1.はじめに
 今年は平年より高めの気温となることが、暖候期(6〜8月)予報で予想されており、夏の電力需給の逼迫のおそれもあることから、屋内の熱中症の発生も懸念されています。厚生労働省は「平成24年の職場での熱中症による死亡者は21人と依然多くの方が亡くなっている」ことから、「熱中症予防対策の的確な実施が必要」と述べ、今年(2013年)も、職場での熱中症の予防について通達を出しました。平成24年の熱中症による死者21名のうち、8割がWBGT値(暑さ指数)注)を測定しておらず、残り2割も測定したWBGT値に基づき評価等を行っていなかったことが報告されています。 また自覚症状にかかわらない定期的な水分及び塩分の摂取を指導していなかった割合は9割という結果でした。

2.製造業に対する厚生労働省通達(平成25年)から
 製造業での熱中症予防対策として、「次の2項目を重点事項として、熱中症予防対策に取組むこと」としています。
(1)事前にWBGT値予報値、熱中症情報等を確認し、作業中に身体作業強度に応じたWBGT基準値を超えることが予想される場合には、作業計画の見直し等を行うこと。
(2)水分及び塩分の摂取確認表を作成する、朝礼等の際に注意喚起を行う、頻繁に巡視を行い確認する等により、作業者に自覚症状の有無にかかわらず水分及び塩分を定期的に摂取させること。

3.川崎重工における今年の熱中症予防対策
 熱中症に対する今年の対応ですが、例えば神戸工場では送風機・スポットクーラー等の活用とともに、各職場の管理監督者は、作業前に必ず水分補給させ、朝礼時・職場巡回時に作業者の体調確認に加えて、熱中症警戒レベルごとに次の対策を講じる事になっています。

・「特別警戒」 :30℃以上になることが予想される場合
  対策) 30分毎を目安に休憩させ、水分・塩分を補給
・「厳重警戒」 :28℃以上になることが予想される場合
  対策) 60分毎を目安に休憩させ、水分・塩分を補給
・「警戒」 :25℃以上28℃未満になることが予想される場合
  対策) 早目に水分・塩分を補給させる
・「注意」 :25℃未満になることが予想される場合
  対策) 早目に水分・塩分を補給させる

 昨年は、熱中症警戒レベルを「厳重警戒」、「警戒」、「注意」、「ほぼ安全」の4段階としていたことと比較して、より厳しく設定されています。
 一方、熱中症対策について、今年の厚生労働省の通達を示しただけで、昨年とあまり大きな変化はなく、以下の対応となっている工場もあります。

1)食堂に麦茶をもらいに行く。
2)ポカリ粉末、各職場で水と混ぜる。
3)熱中対策用の飴を各職場に配る。

 私たちは、川重で働く全ての労働者の命と健康を第一に考え、全ての工場において熱中症に対する警戒を強め、熱中症による災害を出さないよう、会社に対しては万全の対策をとるよう強く求めます。

注)WBGT値
人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算します。
・屋内の場合 0.7x自然湿球温度+0.3x黒球温度
・屋外で太陽照射のある場合 0.7x自然湿球温度+0.2x黒球温度+0.1x乾球温度
WBGT値が28〜31度のときは「激しい運動は中止」、31度以上は「運動は原則中止」

【WBGT値の予測値・実況値】(環境省HP)
PCサイト:http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/index.html
携帯サイト:http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/kt/index.html

(13.07.08)