精神障害・自律神経疾患が急増!

 

 

 人事労政部がまとめた「長欠者の内訳」「メンタルヘルスケア・マニュアル」と、労組ニュース1555号の「5月8日安全衛生専門委員会、直面する安全衛生課題についての協議」より、川崎重工の内部で精神障害や自律神経疾患の労働者が急増している驚くべき実態の原因を、皆さんと考えてみたいと思います。

(2005年・2006年 1ヶ月以上休業している長欠者内訳)

 2005年の精神障害と自律神経疾患の合計は、35%で長欠者人数が68人、2006年では41%で長欠者人数が78人に急増しています。

 川崎重工従業員数9795人(2007年3月現在)全体から見れば、約100人に1人が精神障害と自律神経疾患を患っているという、驚くべき実態となっています。

(メンタルヘルスケア・マニュアルには何が?)
 始めの「メンタルヘルスケア・マニュアルの意義」には、「・・・現代社会における各方面での競争の激化と差別化、企業における省力化・合理化の進展による対人関係の希薄化の要因により、自殺や精神的疾患、職場への不適応が多発しています。」と述べられています。

 川崎重工では、自らが述べたように「精神障害と自律神経疾患」の従業員の「多発」が事実をもって証明されています。

(労組ニュース1555号には何が?)
 組合側からの「自律神経疾患」が急増している点についての質疑応答の中で、会社側は、「原因については、これだとはっきりいえないが、各事業所とも高操業の状況にあること、それに伴い高ストレス状態になっていることがひとつにあるのではないかと考えている。」と、自らの責任を認めています。

 労組としては、労組自らが従業員の実態調査をして、会社側を追求すべきです。

(何が原因なのか?)
 今、職場では、「メンタルヘルスケア・マニュアルの意義」で述べられていた、「競争の激化」を理由に止めどもない「省力化・合理化」そして、コストダウンの嵐が吹き荒れています。

 また、成果主義による賃金体系が確立されたことによって、職場の仲間が力を合わせるという状況が無くなりつつあり、まさに「対人関係の希薄化」が恒常化しつつあります。

 ある30代の従業員は、「いろんな所から、いろんな仕事が入ってきて、まともに集中して仕事ができない」と、悩みを語っていました。

 会社は、「高操業の状況にあること」が「高ストレス状態になっていることがひとつにある」というような、達観するような見方ではなく、このことが最も大きな要因であるという認識を持って、人員の増強や成果主義の見直しを図るべきです。

(07.07.14)