あなたの年金は大丈夫ですか?

シリーズ1:年金番号の一本化

 昨年より日本中を騒がせた社会問題の一つに「年金問題」がありますが、これほど大きな問題になったのは、厚生労働省管轄の『社会保険庁』による年金のずさんな管理が明らかになり、5000万人分の年金記録が宙に浮き、年金が支給されない恐れがあることがわかってきたためです。先の参院選では、この問題で国民の怒りが全国で巻き起こり、自民・公明両党が歴史的な大敗をした一因ともなりました。

年金の構成

 
 ここでは、『社会保険庁』のずさんな年金管理の下で大きな問題になっている一つの、「第3号被保険者」の問題について考えてみたいと思います。

<「第3号被保険者」とは>
 まず、年金が受けられる被保険者には右図のような3種類があります。
1.「第1号被保険者」⇒国民年金に加入している人で、主に商店主や農林水産業に従事している自営業の人が対象となります。
2.「第2号被保険者」⇒厚生年金、共済年金に加入している人で、厚生年金は会社で働いている労働者、共済年金は公務員労働者が対象になります。
3.「第3号被保険者」⇒厚生年金・共済年金に加入している被扶養配偶者で、主に工場労働者や公務員労働者の奥さんが対象となります。

<年金番号の一本化が大事>
 特にこの「第3号被保険者」の対象になるのは主婦層が多く、以下のような場合が問題になります。

1.就職して厚生年金「第2号被保険者」となって、その後結婚して「第3号被保険者」となった場合
2.結婚後子育てが終わり、再度働き始め「第3号被保険者」から「第2号被保険者」となった場合
3.大学生のとき国民年金「第1号被保険者」に加入して、その後結婚して「第3号被保険者」になった場合

 複数の年金手帳を持っている場合は、片方の年金記録が登録されていなかったり、結婚して姓が変わったことなどで、本人の年金記録として記録上登録されていないことがあります。このような場合、年金支給額が大幅に少なくなるため、まず、基礎年金番号を一本化し、全ての年金記録を統合することが大事です。
 また、そのため、納付期間が記録上25年に足りない場合も生まれます。ですからこの間の年金手帳を照合し、一本化することで、年金支給額が増えるのです。
 特に、現在夫の扶養者となっている奥さんの場合は「第3号被保険者」となり、国民年金は働いていなくても、継続扱いとなります。また、「第3号被保険者」の場合、共働きしていると自らも厚生年金を納付している場合もあります。この場合、ダブって納付しているわけですから、照合することで、支給額が増えるのです。

 今年3月までに浮いた5000万件の照合作業を行うと参院選で公約していた政府も、ここへ来て照合は不可能と述べています。この後どうなるかわからない年金問題です。
 「第3号被保険者」の届出は自分で調べて申請しないと誰もしてくれません。川重で働く労働者の年金番号は2007年11月〜2008年1月の給与明細に記載されています。みなさん早めに最寄りの社会保険事務所に行き自分の年金手帳を確認しましょう。

(08.01.29)