「はぐるま」 2019年 春季号
NO.239


Contents
 第3弾 すべての人を技術・技能と共に人間的にも「育てる」企業に!
 危惧される安全衛生
 大河
 「健康で文化的な生活」を保障する賃上げを!
 住居変更伴う応援等を安易に繰り返しているのでは?
 コンプライアンス「報告相談制度」が利用しやすくなりました
 働き方改革」一括法について
 読者の広場
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第3弾 すべての人を技術・技能と共に人間的にも「育てる」企業に!


本当に売上や利益を最優先してよいのだろうか?

これまで私たちは、売上や利益を最優先するのではなく、働く人々のことを最優先すべきと主張してきました。

それは、利益とは、企業を継続的に発展させていく上で必要不可欠なものですが、働く人々が先人たちの成果を受け継ぎ、人の役に立つものをつくった結果です。結果である利益を最優先して働く人のことを二の次にしては、働く人は活力を失い、企業自体もいつかは衰退していくことになると考えるからです。

国内には、「社員とその家族の幸せ」をいちばんに大切にする会社が、長期に好業績を持続


坂本光司氏(経営学者)著書の『日本でいちばん大切にしたい会社』の中で、「真に世のため人のためになる経営に懸命に取り組んでいる価値ある企業」を数多く紹介しています。経営幹部はぜひ読んでほしいと思います。

その中から3社だけ紹介します。

●食品工業A社
「社員が幸せになるような会社をつくり、それを通じて社会に貢献する」を経営理念とし、創業以来一度のリストラもなく、同業者ともたたかわず、工場はとことん環境に配慮した公園のような敷地、100年先を見据えて無理な成長を追わず、成長の種まきを常に行う経営により、48年間増収増益を果たし、社員の給料とボーナスを上げ続けている。

●電気設備資材製造販売B社
年間休日数が140日余りと「日本一休みの多い会社」として有名で、全て正社員、就業時間が8時半から16時45分で「残業禁止」、育児休暇が3年で、何歳でも何回でも取得可能と社員の幸福を徹底して重んじ、「ホウレンソウ禁止、自分で考えろ」の管理しない経営で本社要員の割合が2・3%、地域住民や取引先の方々を無料招待する大規模な音楽祭を年1回開催などしながら、常に売上高経常利益が5%以上を持続。

●バネ製造C社
有給休暇消化率100%、子ども手当が第1子10万円・第2子20万円・第3子50万円・4人目100万円、離職率ほぼゼロ、自己啓発助成金が仕事に関係しない資格でも毎年20代2万円・30代3万円支給するなど社員の満足度を徹底追求、値引きをしないことでも有名で、世界をあっと言わせる最先端バネを次々生みだし、創業以来71年間一度も赤字無し。

以上の3社も含め、紹介されている会社の多くは、離職率と残業時間が極めて少なく、障がい者や高齢者・女性の正社員としての雇用率が高いことも共通しており、働きやすい環境と社員同士助け合う風土がつくられています。

会社経営とは「五人に対する使命と責任」を果たすための活動(坂本光司氏)

坂本氏は同書で、本当の「経営」とは、次の五人に対する使命と責任を果たすための行動だと述べています。
一、社員とその家族を幸せにする
二、外注先・下請企業の社員を幸せにする
三、顧客を幸せにする
四、地域社会を幸せにし、活性化させる
五、自然に生まれる株主の幸せ

そして、この順番によってこそ、会社が継続でき、社員のモチベーションも向上すること、株主の満足度は、右の一から四番の満足度を高めれば必然的に発生すると述べ、経営者は一から五番の順番を勘違いしてはならないと警鐘を鳴らしています。

残念ながらこの順番の間違いにより、製造業大手の不正行為が一向に止みません。しかも、利用者の命に関わる部品で発生していることは深刻です。

IHIは、4月に、航空機エンジン部品の製造で、2017年から資格を持たない訓練生が検査を行っていたと発表。同月、スズキはブレーキでも不合格車両を合格にしていたとしてリコール対象約200万台を発表。

    (次号につづく)



危惧される安全衛生


重大災害が連続して発生しており、休業災害も多発しています。また、メンタル疾患の増加など、安全衛生が危惧される状態です。

●昨年10月の岐阜工場での転落死亡災害に続き、今年の2月に坂出工場、3月にクリスタル本社ビルで同様の死亡災害が発生(3件とも統括外)。
●2018年の休業災害は前年の1.5倍に増加、今年に入っても災害の多発が危惧される。
●海外駐在員のおよそ半数が定期健康診断を受診出来ず。
●2018年のメンタル疾患は前年比16%増の272件、2019年についても2018年を超えることが予想される等々。

墜落による労働災害防止のため、労働安全衛生法が一部改正され、今年の2月1日から、高所作業(高さ6.75mを超える場所)ではフルハーネス型墜落制止用器具の使用が義務化されています。残念なことに、2月2日の坂出工場での死亡災害時はフルハーネス型を使用していませんでした。

私たちは、以前から重大災害が起こるたびに、「孤立作業」による問題を指摘してきました。「不安全状態」「不安全行為」に問題を解消せず、物理的な環境整備をとるべきです。会社の『行動規範』では従業員の「安全と健康を最優先する職場風土を構築し…安全で快適な職場環境の実現に取り組んでいます」としています。統括内・統括外に関わらず、災害防止を第一の優先事項として取り組むべきです。

【大河】
今回の天皇の「代替わり」について、安倍政権は、国会での議論で決めるべきという当然の世論を無視して、閣議決定や式典委員会(委員長・安倍首相)の議論だけで、天皇の祖先は神話の神だとした明治憲法下での皇位継承に基づき、きわめて宗教色の強い儀式を公費支出の国事行為として強行した。さらに、「新時代」到来のブームをあおり、窮地に陥っている改憲を“令和改憲”で巻き返しを強めている。

これらは、明らかに憲法の国民主権と政教分離の原則を著しく踏みにじるものであり、天皇制度の最悪の政治的利用であり、一政権による私物化である。

新聞やテレビの多くは、「代替わり」関連の儀式等を無批判に競って祝賀一色で報道した。中でも読売新聞は、「時代の幕開けを共に祝いたい」(社説)とし、何もかも「列島祝福」と書きまくる一方、5月1日に労働者・国民が切実な要求で結集した2万8千人の中央メーデーは一切報道しなかった。これは、新聞倫理綱領でいう「新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排する」の根本が厳しく問われるものである。

安倍政権や一部メディアらは、戦後、日本が神権的天皇像を否定し、国民主権へ大転換した事実をことさらあいまいにし、主権者国民をどこへ導こうというのだろうか。

憲法9条遵守を共通して嫌う彼らが、歴史の発展にどう抗ってみても、主権者は、本当の新しい時代や政治を自ら切り開くために、一人ひとりが声を上げ立ち上がっていくだろう。



「健康で文化的な生活」を保障する賃上げを!


今年こそはと満額を期待した賃上げは、賃金改善の要求額3,500円に対し、昨年同額の1,500円で妥結しました。

賃上げを渋った理由を、会社は、「恒久的な固定費の増加」を言い訳にしており、労組は、「1,500円を確保できたことは大きな成果」と低額回答を評価しています。

このような状況を毎年繰り返して良いのでしょうか。

川重の平均賃金は、この10数年来、ほとんど据え置き状況です。さらに、「働き方改革」の名のもとの残業規制により、従業員の収入は減少し、教育費やローンの返済等で苦しくなっています。

労働基準法第一条では、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を満たすべきものでなければならない」とあり、また、憲法25条では「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあります。

会社は、労働者に「健康で文化的な生活」を保障しなければなりません。そして、組合は、その生活を勝ち取るためにたたかう必要があります。

職場アンケートでは「生活向上のために月額3万円・時給200円以上の賃上げ」が大半の声であり、この賃上げは、内部留保の一部を取り崩せば可能です。

大幅な賃上げで「8時間働けば普通に暮らせる社会」にすることが今、求められているのではないでしょうか。


住居変更伴う応援等を安易に繰り返しているのでは?


最近、坂出工場から西神戸工場へなどの住居変更を伴う応援等が頻発しています。

住環境は、憲法第25条(生存権)の基本的な条件であり、「基本的人権の基礎」と言われています。住環境をベースとした家族や友人、地域コミュニティなどは、自分自身を構成する大事な要素です。

企業は従業員の生活をあずかっているわけですから、住環境を最大限に尊重すべきです。顧客の要求やカンパニーの操業対策などの理由であれ、住居変更を伴う応援等は、安易な経営と言わざるを得ません。

会社が制定した『行動規範』にも、「個人の基本的人権、個性を尊重します」とあります。会社は、従業員の住環境や食生活にもっと気を配るべきであり、そうすれば、従業員の活力は向上し、企業も発展するでしょう。


コンプライアンス「報告相談制度」が利用しやすくなりました


コンプライアンス違反の通報は、職場の上司、同僚のゆえに、通報しにくいものですが、今回制度が充実されました。

充実したその内容は
各部門の所属長は「情報提供、意見具申または内部通報しやすい環境整備」をしなければなりません。コンプライアンス違反の放置、見過ごしは許されません。また通報者などへの不利益な取り扱いの禁止に加えて、不利益を受けた場合は「適切な救済・回復措置を講じる」ことが追加されました。

制度の気軽な利用を
とくにハラスメント行為は、被害にあった方の命と健康を脅かすと共に、企業の生産性や技術力をも低下させます。今回充実された制度を利用し、互いに意見が言い合える、風通しの良い職場にすることが、コンプライアンス違反をなくしていくことになるのではないでしょうか。

「働き方改革」一括法について
相次ぐ過労死への対策として、長時間労働の是正などを目的に「働き方改革」一括法が今年4月施行されました。

●「残業に上限規制」時間外労働(残業)に初めて「罰則付きの上限」を設定、上限は原則月45時間かつ年間360時間、繁忙期でも月100時間未満かつ年間720時間、2~6か月平均で80時間以内(労災認定基準では月100時間、平均80時間は過労死ライン)。

●「勤務間インターバル」労働者の終業時刻から、次の始業時刻の間に一定時間の休息を設定(休憩時間は決められておらず、導入は企業の努力義務)。

●「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)」労働基準法に定める1日8時間など労働時間の原則、時間外労働の規制等は適用から除外され、導入に当たっては本人の同意が必要。健康管理時間により面接指導を実施、実施しない場合に罰則あり。

●「同一労働同一賃金」正規労働者と非正規労働者の不合理な待遇差の禁止。(不合理な対象か否かは賃金、諸手当、福利厚生で相違)。

(詳細は厚労省のホームページ参照)


読者の広場 
「お花見」
グラウンドの近くに診療所があったとき、そばに大きな桜の木がありました。満開になると、昼休みにお花見をしている人がいたことを思い出しました。あの立派な木がバッサリと切られたとき、さみしい思いをしたのは、私だけではなかったでしょうね。

今は正門はいると、庭園があり、いつも丁寧に手入れがされていて、赤、白、黄、紫色の花々が咲き、かわいいですよ。これからも四季折々の花や木が心をなごませてくれるでしょう。
(神戸・花子)
パワハラ続くよ どこまでも ・・
パワハラ対策が会社一丸で検討されているようですが、当工場でもパワハラによる被害がぽつぽつとあります。

数か月前の事ですが、設計部門でもこれから育っていくはずの新入社員が上司のパワハラに耐えかねて退職しました。非常に悲しいことです。

「はぐるま」にはこういった若い人が辛くなる環境を少しでも良くなるように、働く人の気持ちを伝えてもらいたいと思います。
(西神戸の星)
今年も「すみれ観察会」に参加
4月11日(木)、昼休みの工場ヘリポートに出かけると、明石工場事務所環境エネルギー課のスタッフが笑顔で迎えてくれました。

すみれを見つけ、顔を近づけてスマホに収めるインスタ狙い。この瞬間だけは、工場の中なのを忘れ、草原を歩いてる気分になりますね。

いただいたチラシの裏に明石工場は甲子園球場の13・5倍の敷地面積。工場立地法で緑地を含めた環境施設が現在17%、基準の25%以上までには甲子園球場約1個分が必要と書かれていました。

従業員が憩える緑地、目に優しい緑地を拡げてほしいと思いました。
(明石工場すみれ愛好家)
改正「働き方改革法」の説明会が開催されました
今年の4月から改正「労働基準法」が施行され、従業員に対して説明会が開催されました。

特別条項の労働時間に上限が新たに設定され、この労働時間の上限を超過すると企業は法違反になり罰則が科されるため、従業員一人ひとりが労働時間をこれまで以上にしっかりと管理して、法違反を起こさないための説明会でした。罰則を受けた企業はイメージダウンにつながり製品の受注にも影響が出るので法違反が無いように、との説明がありました。

職場環境改善の第一歩としての労働時間上限設定であり、今後も改善されていくことを期待します。
(神戸・K)
やっと付きました
新ビルが出来て何年にもなるのにトイレの便座クリーナーだけは設置されずにいました。令和になった連休明けから順次設置されているようです。他工場の新ビルには付いていると聞き、何故なんだろうと疑問に思っていましたが、これからは気持ちよく利用できます。
(明石・令和元年)
希望と安心を
派遣労働で懸命に働いていますがKHI社員に比べ賃金が低く、会社行事に参加できないなど立場は依然として差別的です。ダイバーシティー重視と同じように派遣労働者も一人の人間として希望を持って、安心して働けるようになって欲しいと願います。
(派遣で働く一人)
特別食まだかな〜
西神戸工場は約6年間の長期に渡り無災害記録を達成してきたのですが、昨年9月に不休災害が発生し、今年に入ってからは毎月のように災害が発生しています。今やKHI全体で最も災害が多発している工場になりました。

そう言えば 無災害達成の特別食も近頃食べてないなぁ〜     
(麻婆丼)


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